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治療例

2018/10/24
リハビリテーション〜金属床義歯

【お名前】 Y.S 様 

【性別】 男性 

【年齢】 67

【治療内容】 オーラルリハビリテーション、メタルセラミッククラウン、金属床義歯(タイコニウム床、咬合面メタルアップ)

 

・治療前

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・治療後

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・治療方針の決定

患者様は「噛み合わせがグチャグチャで噛めない。かみ合わせと歯並びをしっかりしたい。」ということでお友達の紹介で来院しました。

お話を伺うと、5年ほど前に他院にてクラウンを全ての歯に被せ、義歯を作製してから噛み合わせが変わってしまい噛めなくなってしまいとても悩んでいるということでした。総入れ歯になってもいいから噛めるようにして欲しいと仰っていました。

まずは患者様のお口の状態を詳しく診査し診断をする必要があります。適切な診査、正しい診断がなされなければ治療を成功させることは不可能です。特にかみ合わせをに不具合があったり、義歯や歯列矯正などかみ合わせを変える必要があるケースでは、型取りをして模型を作製し、患者様のかみ合わせの状態を再現して咬合診断をします。

口腔内専用のCCDカメラを用いて歯や歯肉の状態、かみ合わせの位置、虫歯の有無、破折、クラック、微細なヒビが入っていないか、咬耗の程度などを詳しく調査し記録します。

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顎関節と上顎歯列の位置関係を再現するためにフェイスボウ・トランスファーを行います。

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上下の歯列の位置関係を中心位にて採得します。歯のかみ合わせの位置はズレている事がしばしばあるので、必ず術者が中心位に誘導して再現性のある位置を採得します。早期接触部分は厳密に記録するために咬合紙の印記部分とバイト材が薄く抜けている部分と完全に一致する事を確認します。

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上顎模型および下顎模型を中心位で咬合器に付着します。

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咬合診断をするためには患者様の口腔内の状態と咬合器での位置関係が完全に一致していることが必要です。

咬合診断の基準となるのは

⭐️ 中心位咬合:術者が誘導した時、下顎頭が関節窩内でリラックスして安定した再現性のある位置にあること

⭐️ 咬合高径:かみ合わせの高さが機能的・審美的で適正であること

⭐️ 咬合平面:上下それぞれの歯や義歯の人工歯の連なりが全体的に歪んでおらず平面であること

⭐️ 咬合の三要素といわれるものです。

これらが理想的な状態とどれだけ違っているかを判断するわけです。 

患者様の場合

中心位咬合:左上、右下に臼歯があるのですが中心位でかみ合わせの安定に大切な臼歯同士の接触がありません。一番最初に当たる場所(早期接触)は左上第一小臼歯と左下犬歯のクラスプ(いわゆる義歯のバネ)で下顎が接触後前上方に咬み込んでいきます。左下小臼歯の義歯の人工歯は破折して無くなってしまっています。歯同士が当たる場所で噛もうとすると下顎をアイーンと前方へ出さないと噛めません。

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咬合高径:臼歯の咬合支持がないので咬合高径は明らかに減少しています

咬合平面:左上、右下に歯がありそれぞれの相手の歯がないので歯牙は挺出して、右上がり左下がりの咬合平面になっています。

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また、残存歯の虫歯や、歯周病の状態なども考慮して抜歯する歯、保存する歯、保存する際に歯髄を温存可能か歯内療法が必要かなども決定する必要があります。

診断:歯牙欠損および咬合不正による咀嚼障害

治療方針:治療義歯を使用しオーラルリハビリテーションをおこない適正な咬合の三要素を確立した後、上顎は総義歯、下顎は両側犬歯を鉤歯としてクラウンにより補綴、その後部分床義歯を作製

治療経過:

まずは左上臼歯の抜歯です。あらかじめ準備しておいた治療用義歯を装着します。抜歯した部位の創傷保護のためティッシュトリートメントを必ずします。

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治療用義歯に慣れていただいたら次は上顎前歯の抜歯です。上顎前歯は左右を一度には抜歯しません。片側ずつ抜歯することで現状の歯牙を基準として治療ができ、患者様も受け入れやすいのです。

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上顎右側前歯を抜歯します。

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下顎前歯を抜歯して治療用義歯を修理・調節します。

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右下臼歯を抜歯して治療用義歯を修理・調整しました。

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下顎犬歯を歯髄を温存し仮歯にして高さ、方向を調節します。

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咬合の三要素を考慮したオーラルリハビリテーションが行われ整いました。

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いよいよ最終補綴の行程に入ります。下顎犬歯の型取りです。最高精度のクラウンを作製するためにハイドロコロイド印象をします。

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常にかみ合わせの基準となる中心位を意識して治療をします。かみ合わせは厳密に中心位(顎の一番安定した位置)で採得します。

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義歯に使用するセラミックの歯を選択、決定します。

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フェイスボウ・トランスファーをして咬合器上で中心位で作業ができるようにします。

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メタルセラミックス冠を作製して装着します。予め義歯を安定させるための維持装置を付与してあります。

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いよいよ義歯作製に入ります。上顎は総義歯なので治療用義歯を印象用トレーとして使用しシリコンで型をとります。下顎はアルタード・キャストテクニックという特殊な方法で型をとります。動きのない残存歯牙と、弾力があり動いてしまう歯肉、粘膜とは性質が違うので同時には型取りができないからです。

オーラルリハビリテーションによって咬合の三要素を意識して作製された治療用義歯と同じ大きさ、形態の最終義歯を作製するために治療用義歯を用いて印象採得をします。

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下顎は残存歯のハイドロコロイドシステムによる精密印象です。

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完成した上顎金属床フレーム・蝋堤

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下顎は精密に鋳造された金属フレームを使用して可動粘膜・歯肉の印象採得をします。

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フレームの周囲に赤いユーティリティーワックスで治療用義歯と同一の形態になるように辺縁形成をします。

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流動性の高いインプレッションペーストで印象採得をします。

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残存歯の模型を組み込んで石膏注入して一体化した精密模型を作製します。

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義歯作製のためには咬合器を使用するので、患者様のかみ合わせの状態を咬合器に移す必要があります。フェイスボウ・トランスファーにより上顎歯列と顎関節の位置を、中心位で咬合採得することで上下歯列の位置関係を再現します。基準は全て中心位です。

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リハビリテーションで得られたかみ合わせの位置を最終義歯に移行するために、咬合採得は上:治療用義歯、下:蝋堤 上:蝋堤、下:治療用義歯 上下:蝋堤 というように装着して位置がズレない事を確認します。

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治療用義歯と同じ位置で咬合採得を行い精密模型を咬合器に付着します。

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咬合器上で人工歯を配列します。

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口腔内に装着して咬合器とズレがないかをチェックします。

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患者様の口腔内と咬合器が一致している事を確認したら義歯の完成です。

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精密に完成されたか模型との適合をチェックします

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精密に作製された新義歯は、治療用義歯と全く同じ大きさ形態なので装着した時の違和感はありません。

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完成義歯装着時の口腔内です

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臼歯部は両側10点で接触するリンガライズドオクルージョンという咬合様式を与えます。

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義歯を外した口腔内です

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2ヶ月ほど新義歯を使用して頂き、歯肉・粘膜に当たりが無くかみ合わせが安定した事を確認して人工歯の咬合面を金属に置き換えて咬み合わせをカスタマイズします。

中心位でかみ合わせを採ります。

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人工歯同士が接触するとズレる可能性があるので、接触直前の位置でかみ合わせを採ります。

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フェイスボウ・トランスファーされた中心位で咬合器に位置付けされた上顎模型に下顎模型を中心位で付着します。

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口腔内と咬合器のかみ合わせが一致しているか必ずチェックします。

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かみ合わせの接触面を金属にしてカスタマイズする事で咀嚼効率がよくなり、また咬耗も最小限に抑えられるので長期的に安定した咬合状態を維持できます。

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・リスク

歯の治療は詰める、被せるなどの行為は、再生不可能な歯を削ることによって少なからず歯にダメージを与えます。また、抜歯は歯に対する処置の最終手段です。
しかし口腔機能を正常な状態に戻すためには必要な処置です。

・治療期間

1年9ヶ月

・治療費

55,310円(保険診療)抜歯などの外科処置、歯周病治療は保険で行いました

2,438,640円(自由診療)

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