義歯(2)
患者様は、義歯作製希望で2002年12月に来院されました。
初診時の口腔内写真です。
診断の結果、上顎及び下顎前歯を抜歯し残存歯の治療と並行して治療義歯によるリハビリをおこなうこととしました。
治療用義歯を用いたオーラルリハビリテーションをおこない、「咬合の三要素」中心位咬合、適正な咬合高径、咬合平面を付与しました。
型取りをして残存歯にメタルセラミック冠を被せました。
次に精密な型取りをして義歯を作製します。下顎は残存歯と粘膜面を別個に印象採得をするアルタードキャストテクニックをしました。
2003年7月治療終了、治療期間は7か月でした。
時は経って2014年8月、治療後11年が経過しました。
義歯の咬合面メタルは白金加金を使用しているので、経年的な咬耗はあるものの義歯装着当時の輝きを維持しています。
患者様は「何でも食べられる」とおっしゃっています。
- リスク:歯の治療は詰める、被せるなどの行為は、再生不可能な歯を削ることによって少なからず歯にダメージを与えます。
しかし口腔内を正常な状態に戻すためには必要な処置なのです。
部分義歯のケースでは残存歯は虫歯や歯周病に罹患していることが多く、治療後もケアが必要です。後々、抜歯にいたる可能性も考慮して残存歯のクラウンや、義歯の設計をする必要があります。そして万一抜歯となった場合に義歯を修理、調整して総義歯になるまでは使用できるようにすることが大切だと考えます。
上顎は総義歯にすることによって、噛み合わせをを再構築することで治療後15年経過した現在も(2018年)安定して機能しています。
- 治療期間:7ヶ月
- 治療費:1,377,600円(自由診療)
14,880円(保険診療)歯周病治療、抜歯などの外科処置、歯内療法、義歯は保険診療で行いました。(現在は義歯、永久歯の歯内療法は自由診療です)